ネグレクトは相談できない親のSOS。急増する社会問題を解決するための課題とは…

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「どうして言うことが聞けないの!」そう子供に思わず怒鳴ってしまったことはありませんか。言葉にしなくても、思い通りにいかなくてついイライラしてしまうことは、子育て中の方なら一度はあるのではないかと思います。

マイナスの感情は負のサイクルからうまれます。疲れたな、つらいな…そう感じた時は、一人で抱え込まずに誰かに相談しましょう。それはあなただけのためでなく、子供のためにも必要なことなのです。

想像する能力の貧困化


私は出産する前に夜の仕事をしていたことがあります。職場には、子育て中のママも働いていました。彼女は子供が寝た後に出勤し「もう寝たから大丈夫」なんて言っていましたが、その自信はどこからきていたのでしょうか。いつ起きるか分からない子供を家に置いてきているという危機感・罪悪感はなかったのでしょうか。ママが不在時にケガをしたり、家のチャイムが鳴ってママが帰ってきたと勘違いして鍵を開けてしまい連れ去られる…極端かもしれませんが、無いとも言い切れませんよね。

「ママー?」と暗闇の中、探し回る不安や、「ママー!!」と喜んで迎えに行った子供に襲い掛かる恐怖。想像しただけで胸が痛くなりませんか。

産後は24時間保育を実施している認可外保育園に勤めたことがあります。そこには、24時間週6日預けている家庭がありました。職場が近いのか、1日に何度かママは子供に会いに来るのですが、日常のお世話は保育士任せ。生きていくために仕事は大切だと思いますが、それ以上に子供にとってママの愛情は大切です。たまに来ては「かわいいー」と抱きしめて満面の笑みで去っていく…都合のいいおもちゃを巧妙に扱っているようにしか見えませんでした。

今の私は、これらも立派なネグレクトであったと思います。ですが、当時はそこまでの知識がなく、見過ごしてしまっていました。「可哀想」という思いは抱いても、なかなか「危険」という感覚には至らなかったです。

誰もが抱える問題「ネグレクト」


ネグレクトを含めた虐待は近年増加しています。1週間に1人の割合で幼い子供が命を落としていると言われています。非常に身近な社会問題であり、私たちは、この当事者・目撃者となる可能性があります。

大人の怒鳴り声と子供の泣き声が頻繁に聞こえたり、小さな子供を残して親が外出していたり、いつも一緒に遊んでいる子供が汚れた衣服を着続け食事もまともにとっていないようだったり…。このような家庭を見た時、あなたはどうしますか。「もしかしてネグレクト?」と思い、なにか行動を起こせる方はどのくらいいるのでしょうか。

子供は小さければ小さいほど、SOSを言葉にすることはできません。あなたが少しでもおかしいなと思うことがあったならば、すぐに誰かに相談しましょう。ほんの少しの勇気が、幼い命を救い、人権を守るのです。

誤解されがちな児童相談所の実態


虐待の総合窓口として「児童相談所」が全国にあります。子供の健やかな成長を願って、共に考え問題を解決していく専門の機関です。子育ての悩みを相談することはもちろん、虐待や子育てで悩んでいる家庭を相談(通報)することができます。

先ほど立派なことを言った私も、実は当事者として児童相談所のお世話になったことがあります。私も「大丈夫」という勘違いから自覚はゼロでした。「子供との生活を守るため」という理由を正当化して仕事に追われていましたが、それを見兼ねた方が児童相談所に相談(通報)したのです。

この時、私は初めて児童相談所という組織を知りました。子供たちと離れてすぐは「児童相談所 一時保護」「児童相談所 期間」といったキーワードで情報を収集し、どうしたら子供たちはもどってくるのか。同じ状況だった人はどのくらいで子供たちに会えたのか。不安で仕方ありませんでした。

「児童相談所による拉致まがいの一時保護」というタイトルの記事に、当時は奇妙な説得力を覚えたものです。「うんうん。突然連れて行くなんてひどいよ!」と共感し苛立ちさえ感じていました。本当に幼く愚かだったと思います。

一時保護は最長2か月という期間があり、それを満了しても家庭での子供の安全が確保できないと判断されれば子供たちは施設へと行ってしまいます。この期間、私は子供たちの存在の大きさを思い知りました。「ごめんね」と毎日涙を流し、子供たちの写真を見ることもできませんでした。そして、自分一人の判断が招いた結果だと受け入れ、人に相談するようになりました。無理はしないことに決めました。とても課題が多く、私が経験した2か月は長いようで短かったです。

ですが、この経験がなければ私は気付けなかったと思います。私たちを守ってくれたことに感謝しています。

みんながあなたを支えます


児童相談所をはじめとして、子育て支援と称した様々な機関があります。もしあなたが苛立ったり悩んだりしていたら、スマホで検索するのではなく、スマホを持ったその手で各窓口にコールしてみてください。親身に話を聞いてくれます。必ず解決まで導いてくれます。私はこうしたネットワークがもっと広がり、私たちの身近になることを願っています。

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